「これが紺碧という色か……」。
僕が初めてこの島を訪れたときの第一印象。
東京で生まれ育った僕に新鮮で強烈な印象を与えたこの島は、東京から約300km南下した伊豆諸島の最南端にあります。
島の面積は約69ku、周囲は約59km。東には多重式死火山の三原山(700.9km)、西には複式休火山の八丈富士(854.3km)があり、この2つの火山の噴火によって八丈島はひょうたん型に形成されました。このおかげで海が時化てもウネリがまわりこむ事もなく、台風でも来ない限りはどこかしらで潜る事ができます。
気候は、黒潮の影響を受けた海洋性気候。年平均気温18.1℃で、島内の至るところにヤシ、シダ類の亜熱帯植物が自然のままに繁茂しています。場所によっては屋久島をイメージさせるような所もあり、梅雨時にはより一層その美しさを発揮します。
島の周囲は、波が創りだした彫刻ともいえる岩場が多く、はるか昔に海へと流れ込んだ溶岩が海底で大きなアーチや複雑な地形を造り、
とてもダイナミックな景観をみせています。八丈の海はワイド写真にもってこいのフィールドといっても過言ではないでしょう。
1ダイブにフィルム1本ではとても足りない。そんなマクロ派泣かせの海ですが、あんまりマクロに集中しすぎると頭上を通り過ぎるハンマーやニタリ、オキゴンドウやイルカの群れなど大物を見逃してしまうかも。たまには水中で上を見上げて、八丈島の紺碧の世界を感じてみて下さい。(田中幸太郎)
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